本作の魅力を語る上で欠かせないのが、ヒットメーカーである脚本家・古沢良太の手腕だ。古沢は単なる法廷ドラマの枠組みを打ち破り、登場人物の対立を通じて「正義とは何か」「弁護士の使命とは何か」という深遠なテーマを問い続けた。
古美門が黛を呼ぶ際の「朝ドラボタモチ」「股のぞき」といった独特の悪口には、既存のテレビドラマにおける「無垢で正義感あふれるヒロイン像」に対する批評的な伏線が隠されていた。愚直な正義感が時に他者を追い詰め、エゴと背中合わせになる恐怖。そこから目を背けずに真のプロフェッショナルへと脱皮していく黛の成長プロセスこそ、物語の真の核心であった。