西沙諸島を巡る紛争は、日本にとって決して対岸の火事ではありません。日本が中東から輸入する原油の8割以上、そして多くの貿易物資を積んだ商船がこの南シナ海航路を通過しています。
日本政府は一貫して「法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」を掲げ、力による現状変更の試みや威圧的な行動に対して強い懸念を表明しています。国連海洋法条約に基づく航行の自由の確保、および当事国間の対話による平和的解決を強く求めています。
仮に西沙諸島から南沙諸島にかけての海域が中国の「内海」として軍事的に封鎖された場合、日本のシーレーンは遮断され、迂回ルートの利用による莫大な輸送コスト増と経済的打撃は避けられません。さらに、東シナ海(尖閣諸島周辺)で展開されている中国海警船の領海侵入行動と南シナ海での既成事実化手法は酷似しており、両海域の安全保障環境は密接に連動しています。
日本は現在、ベトナムやフィリピンなどの沿岸国に対して巡視船の供与や能力構築支援を実施し、海洋監視体制の強化を多角的にバックアップしています。