本土の葬儀では「通夜」「告別式」「出棺」「火葬」という順序が一般的ですが、沖縄では亡くなった当日の夜か翌朝にまず火葬を済ませ、遺骨にしてから告別式を執り行う「前火葬(骨葬)」が主流です。告別式会場の祭壇中央には、遺体ではなく骨壺が安置されています。
この形式が定着した背景には、沖縄特有の亜熱帯気候があります。年間を通じて気温・湿度が高く、保冷技術が未発達だった時代に衛生面を最優先した結果、速やかに火葬を行う習慣が根付きました。さらに、琉球王国時代から続く「洗骨(死後数年を経て骨を洗い清めて納骨する)」の風習や独自の祖先崇拝の歴史が合わさり、遺骨を何よりも丁重に祀る儀礼構造が形成されたとされています。
通夜に関しても、本土のように一般参列者を広く招く形式ではなく、近親者やごく親しい知人のみが遺族宅に集まる小規模な集まりとして営まれます。一般の知人や仕事関係者がお別れに訪れる場は、火葬後に行われる告別式となります。