「かつてサイゼリヤのビュッフェを食べたことがある」という利用者の記憶は決して幻ではありません。東京ディズニーリゾート至近の「ホテル ドリームゲート舞浜店」や、臨海副都心に位置する「相鉄グランドフレッサ 東京ベイ有明店」など、一部のホテル内店舗では、宿泊者向けの朝食バイキングが長年提供されていました。
当時のモーニングビュッフェは、大人料金1,000円〜1,500円前後の手頃な設定でありながら、特製スクランブルエッグやソーセージ、焼きたてフォッカチオに加え、定番のドリアやパスタ、ドリンクバーが並ぶ破格の内容で知られていました。パーク来園前の腹ごしらえやビジネス利用として、早朝から行列ができるほどの人気を博していたのです。
しかし、近年の動向を追うと、これらの提携ホテルモーニングは運営形態の刷新やメニューの見直し、ビュッフェ形式の終了・セットメニュー化が進みました。その背景には、外食業界全体を直撃した原材料高や人手不足、さらにはホテル側が求める「短時間での混雑緩和」と「フードロス削減」という構造的な課題が存在します。大皿から各自が取り分けるビュッフェ形式は管理コストが跳ね上がるため、高品質な固定プレート提供や提携見直しへと舵が切られました。