この騒動がこれほど大きな波紋を呼んだ背景には、彼がそれまで歩んできた異色の経歴がある。旧大蔵省および財務省に勤務していた時代、高橋氏は「国有財産特例」や「特別会計の埋蔵金」に関する分析で頭角を現した。官僚機構の内部構造を知り尽くした数字のプロフェッショナルとして、官邸の政策立案にも深く関わっていた存在だ。
退官後に本格化した経済学者としての活動でも、独自の緻密なデータ分析に基づく主張は多くの支持を集めていた。数学と経済学を融合させた解説スタイルは、専門的な政策論争を分かりやすく解き明かすものとして評価が高かった。それだけに、2009年の不祥事はファンや関係者にとっても大きな衝撃であり、一時は「言論人としての再生は不可能ではないか」とまで囁かれていた。