なぜ、義勇がただ小走りで去るだけの描写が、これほどまでに熱烈な反響を呼んだのでしょうか。そこにはキャラクターの造形と演出が織りなす、明確な3つの魅力が存在します。
第1の理由は、「孤高の剣士」とのギャップです。初登場時から冷徹な判断力と圧倒的な強さを見せつけていた水柱が、少年の執拗なアプローチに困惑し、小動物のようにそそくさと逃げ出す姿は、ファンに強烈な親しみやすさを与えました。
第2の理由は、「ぼっち気質」がもたらすシュールな笑いです。他者と距離を置こうとするあまり、怒ったり怒鳴ったりするのではなく「静かにフェードアウトする」という選択を取る義勇の不器用さが、絶妙なユーモアとして機能しています。
第3の理由は、ufotableによるこだわりのアニメーション表現です。等身大のシリアスな頭身から、一瞬でデフォルメ調のミニキャラへと切り替わる緩急、そして足の細やかな動きのテンポが、視覚的な可愛らしさを何倍にも増幅させました。