原作第10巻から第12巻にかけて描かれた通称「ヤンキーくん編(肉蝮編)」は、シリーズ屈指の緊迫感を誇るエピソードです。暴走族上がりのマサルを手駒にし、カウカウファイナンスから金を脅し取ろうと執拗に丑嶋馨を付け狙う肉蝮。純粋な腕力では勝てないと悟った丑嶋は、徹底した合理主義と冷徹な知略で迎え撃ちました。
決着の舞台となったアジトで、丑嶋はあらかじめスタンガンを高圧改造した電気トラップや鉄パイプを準備。肉蝮が踏み込んだ瞬間に高電圧を浴びせて神経系を麻痺させ、巨体が崩れ落ちた隙を見逃さず、両膝の関節を粉砕して二度と立ち上がれない状態へと追い込みました。
どれほど強靭な肉体と狂気を持っていても、冷徹な準備と計算の前には屈服せざるを得ない――この対決は、丑嶋馨の「闇金としての恐ろしさ」と「勝利への執念」を強烈に見せつける名シーンとして語り継がれています。