個人の全遺伝情報(ゲノム)を解析し、予防や治療に役立てるゲノム医療の進展は、発達障害の臨床支援にも画期的なパラダイムシフトをもたらそうとしている。従来の「症状に基づく対症療法」から、「生物学的メカニズムに基づいた個別の支援プラン」への移行である。
遺伝子の解析によって特定の代謝系や神経伝達物質の特性が判明すれば、それに適した行動支援や環境調整、場合によっては薬物療法の選択肢をピンポイントで最適化できる。遺伝情報は個人をラベル貼りするためではなく、その人が生きやすい環境を科学的に構築するための重要なツールへと変貌を遂げているのだ。