2011年3月に発生した東日本大震災は、彼女にとって取材者としてだけでなく、人間としても大きな転機となった。自身のルーツでもある岩手県陸前高田市は津波によって甚大な被害を受け、大切な家族を失うという個人的な悲劇にも直面する。
絶望のなかでカメラを構え、被災者の姿とメッセージを記録し続けた結晶が、著作『遺影と言葉 震災津波後の陸前高田』だ。津波で遺影さえ流されてしまった遺族への取材を通じて、生きた証を遺すことの重みを描いた。時が経ち記憶の風化が懸念されるなかでも、震災の教訓を次世代へ継承するための重要な記録として語り継がれている。