店を訪れる大半の目当ては、看板メニューである「雅ごぜん」だ。漆黒のお膳の上に、色鮮やかなガラス細工のような小鉢が12種類も並ぶその姿は、一瞬で視界を奪うほどの存在感がある。
この美しい料理の裏側には、高い技術力と情熱がある。手掛けるのは惣菜や冷凍食品の分野で実績を重ねる株式会社ノムラフーズ。代表を務める野村幸弘氏のもと、長年培われた食品加工技術と伝統的な京料理の精神が見事に融合している。特筆すべきは、職人の勘だけに頼らず、温度管理や出汁の抽出工程を徹底的に追求している点だ。昆布と鰹節から丁寧に引いた出汁は、小鉢一つひとつの素材が持つ本来の甘みと風味を鮮やかに引き出している。