医療現場で処方されるサリチル酸ワセリンには、主に「サリチル酸ワセリン軟膏5%」と「同10%」の2規格が存在します。この濃度の差は、使用する部位の皮膚の厚みや角化の度合いによって明確に使い分けられています。
5%製剤は、毛孔性苔癬や肘・膝などの比較的広範囲なザラつき、軽度から中等度の角化症に対して処方されるのが一般的です。対して10%製剤は、何年も蓄積して岩のように硬くなった足裏のかかと、芯の深い魚の目、頑固な胼胝など、ピンポイントで強固な角質を速やかに軟化させたい部位に限定して選択されます。
「処方箋なしで薬局やドラッグストアで購入できるのか」という点については、医療用のサリチル酸ワセリンそのものは医療用医薬品であるため、通常のドラッグストア店頭には並んでいません。ただし、近年増えている一部の零売薬局(処方箋なしで医療用医薬品を対面販売できる薬局)では、薬剤師によるカウンセリングを受けた上で購入できるケースがあります。
市販薬(OTC医薬品)で同様の角質軟化効果を求める場合は、サリチル酸を含有した液体絆創膏タイプ(イボコロリ等)やサリチル酸配合の角質軟化絆創膏(スピール膏)、あるいは尿素を主成分とした高保湿・角質軟化クリームが代替選択肢としてドラッグストアで広く流通しています。