おバカタレントブームの真相とは、決して偶発的なハプニングの連続ではなかった。そこには、視聴者の優越感と親近感を同時に刺激する、計算し尽くされた緻密なメディア戦略が存在していた。スタジオのひな壇配置からテロップのフォント、ワイプで抜かれるタイミングに至るまで、すべてが分単位で設計されていたのだ。
象徴的だったのが音楽ユニットの結成だ。番組内で生まれた珍解答や不器用なキャラクター性をそのままに、一流のクリエイター陣がキャッチーな楽曲を提供。オリコンチャートを席巻し、紅白歌合戦にまで上り詰める現象を作り出した。テレビの枠組みを超えて演者をアイドル化・アイコン化していくこの導線こそ、番組と芸能事務所が結託して仕掛けたビジネスモデルの真骨頂だったといえる。