気象庁が近代的な観測網を敷いて以来、沖縄県内で「雪」が観測された公式記録は過去にわずか2回しか存在しない。気象学上の国際基準および気象庁の規定では、雨と雪が混ざり合って降る「みぞれ」は雪の一種として分類され、正式な降雪記録として扱われる。この厳格な定義のもとで認定されたのが、1977年と2016年の出来事だ。
第1の記録は、1977年2月17日に久米島で観測されたみぞれである。当時、久米島測候所の職員が夜間に舞い落ちる氷の粒を目撃し、これが沖縄県における観測史上初の雪として歴史に刻まれた。そして、それから39年後の2016年1月24日、第2の記録が生まれた。この日は久米島に加え、沖縄本島の名護市にある名護特別地域気象観測所でもみぞれを観測。本島において雪が確認されたのは、観測開始以来初めてとなる大事件だった。
当時の沖縄気象台の解析によれば、いずれの事例も上空1500メートル付近にマイナス6度以下という、通常ではあり得ない極端な冷気が南下したことで発生した。地上気温自体は3度から5度程度あったものの、上空から落下する雪片が地表付近で完全に溶け切る前に到達したため、みぞれとして地上に降り注いだのである。