ネット上の「人事がかわいい」という噂を真に受けて選考に臨む就活生が陥りがちなのが、「愛想よく振る舞っていれば受かるのではないか」という致命的な認識のズレです。これは採用担当者のプロファイリングを見誤った重大な誤解と言わざるを得ません。
豊田通商の採用基準を語る上で欠かせないのが、同社が掲げる3大DNA――「Humanity(人間力・誠実さ)」「Gembality(現場力・現地現物)」「Beyond(創造と挑戦)」です。同社はトヨタグループの祖業である「モノづくり精神」を深く受け継いでおり、机上の空論よりも「現場に足を運び、自ら汗をかいて課題を解決する力」を何よりも尊びます。
説明会で柔和な笑顔を見せる人事担当者も、ひとたび現場に出ればアフリカの未開拓市場を開拓したり、サプライチェーンの寸断を防ぐために泥臭く奔走してきた歴戦のビジネスパーソンです。表面的な愛嬌や取り繕った笑顔だけで通用する現場ではありません。「かわいらしさ」や「人当たりの良さ」の内側に、どれだけ強靭な当事者意識(Gembality)と、困難な状況を打破する胆力(Beyond)を秘めているか。面接官は質問の角度を変えながら、学生の根底にあるタフネスを冷徹に見極めています。