データ移行の成否を分ける最大の境界線は、箱を開ける前の事前準備にある。多くのユーザーが依存するiCloudによるバックアップだが、ここには見落としがちな死角が存在する。無料枠のストレージ上限を超過して最新データが同期されていなかったり、写真ライブラリのアップロードが途中で止まっていたりするケースだ。WiFi環境下で「今すぐバックアップを作成」を手動実行し、完了日時が現在時刻になっているかを必ず目視で確かめたい。
さらに深刻なのがセキュリティ設定だ。オンライン銀行や主要SNSで導入が進む2要素認証は、旧端末でのワンタイムパスワード受信や認証アプリの紐付け解除を行わずに機種変更を進めると、新端末からログイン不可能になる積悪の事態を引き起こす。ワンタイムパスワード生成アプリのバックアップコード書き出しや、登録電話番号の最新化は、何よりも優先して行うべき防護策と言える。