夜空を行き交う彗星や小惑星のほとんどは、太陽の引力に捕らわれ、楕円軌道を描きながら太陽の周りを公転しています。これに対し、恒星間天体(Interstellar object)とは、太陽以外の恒星系で誕生し、重力相互作用などによって母星系を弾き飛ばされ、銀河系を気の遠くなるような時間をかけて漂流してきた天体を指します。
天文学者が「これは太陽系外から来た」と断定できる根拠は、その軌道と突入速度にあります。観測された天体の軌道を計算した際、太陽の重力に束縛された閉じた楕円(離心率0以上1未満)ではなく、二度と戻らないオープンな双曲線(離心率1.0を大きく超える軌道)を描いている場合、太陽系の重力圏外から突入してきたことが数学的に証明されます。
第1号のオウムアムア(正式名称:1I/'Oumuamua)は軌道離心率約1.20、第2号のボリソフ彗星(2I/Borisov)に至っては離心率約3.36という極めて極端な数値を記録しました。太陽系内の惑星によるスイングバイ(重力アシスト)では到底生み出せない秒速数十キロメートルもの「双曲線超過速度」で太陽系へ侵入しており、外部の銀河空間から迷い込んできた動かぬ証拠となったのです。