国民的アニメ『サザエさん』エンディングの歴史と隠された秘密を徹底解剖すると、そこにはテレビアニメ業界の進化と試行錯誤の軌跡が如実に現れている。1969年の放送開始初期、ラストシーンの演出は現在のスタイルとは大きく異なっていた。初期のエンディングでは、サザエをはじめとする磯野家の面々が大きな果物の中に吸い込まれるように入り、最後にタマが飛び出すというキャッチーな演出が採用されていた。この演出は長年親しまれたが、時代の変化とともに新たな趣向が凝らされることになる。
アニメーション制作を手掛ける株式会社エイケンは、視聴者を最後まで飽きさせない工夫を重ねてきた。1991年秋、長年親しまれた「投げ食い(果物を口に放り込む演出)」から、現在おなじみの「じゃんけん」へと大改革が行われた。この変更の背景には、子供たちが食べ物を口に放り込む真似をしないようにという配慮や、よりインタラクティブな番組作りを目指すフジテレビ側の意図があったとされる。単なる締めくくりではなく、視聴者参加型のエンターテインメントへと進化した瞬間だった。