高齢者マークの対象年齢には、「70歳以上75歳未満」と「75歳以上」という2つの区分が存在します。法的な努力義務の基準と、過去に巻き起こった義務化を巡る議論の背景には明確な経緯があります。
道路交通法上の取り扱い基準は以下の通りです。
- 70歳以上75歳未満:加齢に伴い身体機能の低下を感じている場合に表示するよう努める(努力義務)
- 75歳以上:年齢に達したドライバー全般に対して表示するよう努める(努力義務)
「高齢者マークは完全義務化されたのではないか?」と誤解される原因は、2008年(平成20年)6月の道路交通法改正にあります。当時、75歳以上の後期高齢者に対してマークの表示を義務付け、非表示には罰則(反則金2,000円・点数1点)を科す法改正が一度は施行されました。
しかし、当事者である高齢ドライバーや世論から「年寄り扱いだ」「実質的な年齢差別ではないか」といった猛烈な反発が噴出しました。これを受けて国会で法改正の見直しが行われ、罰則の適用は当面の間猶予されることとなり、最終的に2009年の法改正で再び罰則のない「努力義務」へと一本化された歴史があります。