はちみつを口内炎に塗った経験者の多くが口を揃えるのが、「涙が出るほどの激痛」「飛び上がるほどしみる」というリアクションです。良薬口に苦しならぬ“良薬患部に激痛”とも言える現象ですが、これには明確な生体反応の理由があります。
口内炎ができている箇所は、粘膜の表面(上皮層)がえぐれて剥がれ落ち、神経終末が剥き出しの状態になっています。そこに極めて糖度が高いはちみつが触れると、前述した急激な浸透圧差によって神経細胞の水分が一瞬で急激に奪われます。この物理的な浸透圧ショックが強烈な刺激となり、脳へ激痛として伝達される仕組みです。
気になる「即効性の真相」ですが、塗布直後の10〜30秒ほど続く激痛を耐え抜くと、痛みの受容器が一時的に麻痺し、同時に抗炎症作用が働き始めるため、数分後にはジンジンとした痛みが嘘のように和らぐケースが珍しくありません。数時間から翌朝にかけて患部の腫れが引き、痛みが軽減したと実感する人が多いのは、この急速な殺菌と消炎プロセスの恩恵によるものです。