2026年オフ、テキサス・レンジャーズ傘下を自由契約(FA)となった有原航平の動向は、日米のスカウト陣のみならず球界関係者の大きな注目を集めました。大方のファンが期待したのは、2015年の新人王獲得以来、通算60勝を挙げた古巣・日本ハムへの凱旋でした。しかし、有原が下した決断は、同じパ・リーグの宿敵である福岡ソフトバンクホークスへの入団でした。
日本ハムへ復帰しなかった決定打となったのは、提示された条件面と戦力評価における圧倒的な格差です。当時、新球場エスコンフィールドの開業を控えていた日本ハムも復帰に向けた調査と打診を行っていたと報じられています。しかし、チームの若返りと年俸総額の適正化を推進していた球団方針のもとでは、ソフトバンクが提示した3年総額12億円規模(推定年俸4億円+出来高)という破格の大型契約に対抗することは極めて困難でした。
さらに、当時のソフトバンクは先発ローテーションの再編と王座奪還を至上命題として掲げており、有原に対して開幕投手やエース格としての明確なポストを用意していました。30代を迎えてプロ野球人生の円熟期に入る右腕にとって、自らを最も高く評価し、優勝争いの中心として迎え入れる球団を選択することは、プロフェッショナルとして至極合理的な判断でした。