小倉一郎の才能は、演技の領域だけに留まらない。彼は長年にわたり、作詞家や俳人、シンガーソングライターとしても精力的に活動を続けている。溢れ出る感性を五・七・五の短文や音楽のメロディに託し、これまでに数多くの句集の出版や楽曲提供を行ってきた。
言葉に対する並々ならぬこだわりと、日常の些細な風景から人間の機微を汲み取るとぎすまされた感性は、文壇や音楽界でも高く評価されている。アコースティックギターを手に静かに歌い上げるライブステージでは、役者としての彼とはまた一味違う、素のままの情熱的なアーティストとしての姿を垣間見ることができる。