東京都大田区の日本航空安全啓発センターには、事故機の歪んだ外壁、回収されたボイスレコーダーの音声波形、乗客が死を覚悟して家族へ書き遺したメモなどが保管されている。社員研修の必修施設として設立されたこの場所には、現在、航空関係者のみならず医療、鉄道、原子力、ITなど、あらゆるインフラ企業の安全管理者が殺到している。
「事故を知らない世代が社員の9割を超えた」と言われる今、展示のあり方も変化している。遺品を見るだけでなく、当時の状況下でなぜミスが見過ごされたのかをグループで議論し、自らの職場における潜伏リスクを洗い出す体験型ワークショップが重視されている。惨事を「遠い昔の出来事」にさせないための工夫が、毎日繰り返されているのだ。