株の誤発注で資産崩壊?ジェイコム事件の真相と個人投資家の必須防衛術

株の誤発注で資産崩壊?ジェイコム事件の真相と個人投資家の必須防衛術

株の誤発注で資産崩壊?ジェイコム事件の真相と個人投資家の必須防衛術とは一体何なのか? 専門的な分析を丁寧に紐解いて紹介します。

日本の金融史上、誤発注の恐ろしさを最も強烈に見せつけたのが、2005年12月に発生した「ジェイコム株誤発注事件」です。この日、新規上場(IPO)したばかりの人材派遣会社ジェイコム(現ライク)の株式において、みずほ証券の担当者が信じられないオペレーションミスを犯しました。

本来「61万円で1株売り」と入力すべき注文を、「1円で61万株売り」と正反対に入力して市場へ送信。当時、ジェイコムの発行済株式総数はわずか1万4,500株であり、存在すらしない発行株数の40倍以上もの売り注文が市場に突如出現しました。株価は即座にストップ安の57万2,000円に張り付き、大混乱に陥ります。

異変に気づいたみずほ証券は、即座に取消注文を連打しました。しかし、東京証券取引所の売買システムに存在していた不具合(バグ)により、取消注文がことごとく拒否され続けました。市場の猛者たちは異常な安値で放置された大量の売り注文を猛烈な勢いで買い漁り、みずほ証券は市場で決済不能となる事態を防ぐため、巨額の買い戻しを余儀なくされました。

結果として、みずほ証券が被った最終的な損失額は約407億円に達しました。この事件は単なるオペレーターの入力ミスにとどまらず、システム不具合を放置していた東京証券取引所に対する損害賠償請求訴訟へと発展。最高裁まで争われた末、東証側の過失が認められ、約107億円の損害賠償支払いが命じられるという異例の結末を迎えました。ネット上では、この混乱の最中に瞬時に買いを入れた個人トレーダーが数十億円の利益を上げ、「ジェイコム男」として名を馳せるなど、社会現象としても大きな衝撃を残しました。

木村 陽翔
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木村 陽翔

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。