かつての長瀞は「夕方には店が閉まり、人が消える町」だった。だが、ミシュラン・グリーンガイドで星を獲得した宝登山神社を中心に、夜の魅力を掘り起こす取り組みが結実しつつある。暗闇の境内を必要最小限の竹灯籠と有機EL照明で照らす「夜間参拝ツアー」は、静寂と神聖な雰囲気を味わえる至高のコンテンツだ。
参道沿いには、秩父地方の銘酒や地元食材を使った和フュージョン料理を提供する夜間限定のバーが点在。星空を仰ぎながら、静かに地酒を傾ける大人の時間がそこにはある。昼間の喧騒とは完全に切り離された「静けさを買う」新しい旅行スタイルが、滞在型観光客の消費額を押し上げる原動力となっている。