球速160キロを超えるストレートを投げる投手が珍しくなくなり、打撃でもバレルゾーンの意識が浸透した現代野球。しかし、その華やかさの裏側に潜む「致命的な欠陥」を、廣岡氏は厳しい口調で指弾する。
「今の選手は数字やデータばかりを気にして、野球の本質的な『基本』を疎かにしている。投手がキャッチャーの構えたミットに寸分違わず投げ込めるか。打者が状況に応じた右打ちや送球の判断を徹底できているか。数字には表れない細かいプレーの積み重ねこそが試合を左右するのだ」
表面的な球速や飛距離の向上に目を奪われ、試合展開を読む戦術眼や観察力が欠落している――それこそが現代野球の大きな落とし穴だと警鐘を鳴らす。勝負どころでの一球に対する執着心、配球の読み、緻密な連携プレー。それらを軽視したプレイが目立つ現状に、伝説の名将は容赦ない喝を入れる。