近年、急激な気候変動に伴う集中豪雨や土砂流出、都市のヒートアイランド現象が世界的な課題となっている。こうした防災・減災対策において、グラマの地下器官が大きな役割を果たすことが判明してきた。
グラマの根系は、地表近くに密な網目を形成すると同時に、深さ2メートル以上に達する主根を垂直に伸ばす。この複雑な根構造が「生きた杭」として機能し、雨水による表土の流出(土壌浸食)を強力に防止する。斜面補強や砂漠化防止の境界線としてグラマを植栽するプロジェクトが、北米のみならず中国や中東の乾燥地域でも試みられている。
さらに、都市部の屋上緑化や壁面緑化への応用も注目されている。屋上などの限られた土壌厚(薄層土壌)であっても、グラマは高い耐乾性と耐寒性を発揮する。夏の都市の表面温度を低下させ、空調エネルギー消費を抑える天然の断熱材としての効果が期待されている。