ダンピング症候群の看護において、身体症状のケアと同等に重い意味を持つのが「精神的ケア」です。
食事のたびに激しい動悸や下痢に見舞われると、患者は「食べる=苦痛」という強力な条件付けを形成してしまいます。最悪の場合、拒食に陥り、術後の極度な体重減少や低栄養に拍車がかかる悪循環を生み出します。
看護師は患者の「またあの苦しみが来るのではないか」という不安に傾聴し、「少しずつ慣らしていけば身体が適応していく」という見通しを伝えることが大切です。また、主治医だけでなく、管理栄養士と密に連携して患者の好みに応じた分割食メニューを提案したり、薬剤師と協議して消化酵素薬や抗セロトニン薬、抗コレステロール薬の投与タイミングを調整したりする多職種アプローチが効果を発揮します。