ビジネスの最前線である都心の街並みにも、小さな変化の芽が急速に育ちつつある。表参道や中目黒などのエリアでは、店内での「作業」や「マルチタスク」を一切禁止した「対話と五感の専門カフェ」が次々とオープンしている。
こうした店舗では、メニューも極めてシンプルだ。注文を受けてから目の前で手作業で淹れられる珈琲、土の香りが残る野菜のスープ。客に求められるのは、パソコンを開くことでもSNSに写真を投稿することでもなく、一口ごとの味覚や香り、そして同席したパートナーやスタッフとの「一期一会の対話」に没頭することだけだ。利用客からは「数分間だけ時間が止まったような感覚になる」「情報に追われてカサカサになった心が、急に水分を取り戻すようだ」といった声が聞こえてくる。