この圧倒的な威光の源流に立つのが、豪族・葛城氏である。中でも『日本書紀』や『古事記』にその名を轟かせる葛城襲津彦(かつらぎのそつひこ)の存在感は際立っている。加羅諸国や新羅への度重なる出兵を率い、外交交渉を独独占した伝説的軍略家だ。
葛城襲津彦がもたらした大陸の先進技術と莫大な富は、葛城氏の地位を盤石なものとした。仁徳天皇をはじめとする歴代の大王に娘を嫁がせ、外戚として王権の中枢へと食い込んでいく。しかし、膨らみすぎた権力は常に嫉妬と警戒の対象となった。王権との激しい暗闘の末、彼らは歴史の表舞台から徐々に姿を消していくことになる。