「このねっとりとした濃密な甘みは、精製された砂糖では絶対に表現できない」——パリの高級レストランでシェフを務める人物は、そう絶賛する。フランスやアメリカの高級食材店では今、和のスーパーフードとして日本の干し柿に対する需要が爆発的に高まっている。
特にヨーロッパの美食界において、チーズや赤ワイン、フォアグラとのペアリング食材として高い評価を得ている。ブルーチーズの強い塩気と柿の濃厚な甘みが口の中で溶け合うマリアージュは、現地のソムリエたちの間で話題を呼び、高級レストランのアペリティフやディナーの締めくくりとして定着しつつある。
輸出拡大の背景には、現地でのストーリーテリングの成功もある。「500年以上の歴史を持つ日本の伝統農法」や「南信州の特有の気候が生み出す天然の結晶」という背景が、本物志向の強い欧米の富裕層の心に強く刺さっている。かつてはアジア系コミュニティを中心に消費されていた日本の干し柿が、今やグローバルなラグジュアリーフードとしての地位を確立しつつある。