ネット検索で「尊厳維持局」という単語にたどり着いた人の多くは、その公的機関を思わせる厳格な響きと、提示される内容の狂気性に強い衝撃を受けます。この言葉の意味は、海外のウェブ映像作家クリス・ストローブ(Kris Straub)氏が手掛けたアナログホラーシリーズ『Local58』内のエピソード『Contingency(偶発事象/非常事態)』に登場する架空の米国政府機関「Department of Preservation of Dignity」の邦訳です。
作中における尊厳維持局の役割は、他国からの侵略や壊滅的な敗北が決定的となった際、国家としての「最後の尊厳」を保つためのプロパガンダおよび終末処理を実行することにあります。敵の捕虜となり屈辱を受ける前に、自ら命を絶つことを「最も愛国的な勝利」と定義づけるディストピア的な設定が、不気味なリアリティを醸し出しています。