まず押さえておきたいのが、楽変化天の読み方と名称の由来です。一般的には「らくへんげてん」と読み、仏典によっては「ぎょうへんげてん」と発音されるケースもあります。また、経典の翻訳系統の違いにより化楽天(けらくてん)と呼ばれることも多いですが、楽変化天と化楽天の違いは訳語の差異に過ぎず、指し示している世界はまったく同一のものです。
サンスクリット原語では「ニルマーナラティ(Nirmāṇarati)」と表記され、「自ら創り出した変化(へんげ)を楽しむ者」を意味します。仏教の宇宙論において、この天界の住人は自らの神通力によって、美しい宮殿、絶品の美味、甘美な音楽など、五感(色・声・香・味・触)を満たすあらゆる快楽の対象を瞬時に具現化させることができます。
他人に与えられる歓びではなく、自分の理想とする歓楽を何一つ不自由なく自力で創り出して享受できる点が、この世界の最大の特徴です。