「京都で本当に美味しいみつまめに出会うには、どこへ足を運べばいいのか」という問いに対し、食通たちが口を揃えて挙げる名店には明確な共通項があります。それは派手なトッピングに頼らず、寒天そのもののテクスチャーと豆の仕込みだけで客を唸らせる圧倒的な基礎力です。ここでは、京都みつまめ人気理由の核心に迫る2大巨頭の実態に切り込みます。
まず外せないのが、京阪出町柳駅から徒歩数分の住宅街に佇む甘味処「みつばち」です。看板商品の「あんずみつまめ」(税込850円)は、開店前から行列ができる名物として知られています。ふっくらと煮含められた甘酸っぱい大粒の干し杏、塩気がキリッと効いた赤えんどう豆、そして口に含んだ瞬間にほろりと崩れる千葉・伊豆七島産天草仕込みの角寒天。店主が毎朝丹念に煮出す生寒天は、市販の寒天粉とは別次元のみずみずしさと柔らかさを誇り、自家製の特製白蜜または黒蜜をかけることで素材同士の輪郭が鮮やかに際立ちます。
一方、大正15年(1926年)の創業から100年にわたり京都みつまめ老舗の最高峰として君臨し続けるのが、祇園みつまめ有名店として誰もが認める「月ヶ瀬」です。老舗割烹や茶道家元からも愛されてきた同店の「みつまめ」(税込990円)は、まさに格式ある京甘味の到達点。濁りのない角立ちの美しい寒天は、噛み締めた刹那に微かな磯の香りを放ち、濃厚でありながら後味のキレを極限まで研ぎ澄ました黒蜜と完璧に調和します。地元客はもちろん、京都和スイーツ巡りを楽しむ遠方からの来訪者が絶えない決定的な理由がここにあります。