もしも自宅の床やカーペットの上で昔の体温計を落とし、ガラスが割れて銀色の丸い粒が散らばってしまったら、どのように対処すべきでしょうか。ネット上には誤った情報も多く出回っていますが、日本医師会や自治体の防災マニュアルが指定する「絶対にしてはいけないNG行動」と「正しい回収手順」を知っておく必要があります。
❌ 最も危険な3大NG行動
- 掃除機で吸い取る(厳禁中の厳禁):
掃除機の内部モーター熱によって水銀が急速に気化し、排気口から高濃度の水銀蒸気が部屋全体に噴き出します。掃除機自体も水銀汚染され、再起不能(廃棄処分)になります。 - ほうきで激しく掃く:
水銀は表面張力が強いため、掃く衝撃で微細な粒子に分裂し、床の隙間や絨毯の繊維奥深くに潜り込んで回収が不可能になります。 - 排水溝やトイレに流す:
下水管のトラップに溜まって気化し続けるほか、最終的に下水処理場や河川・海洋の深刻な環境汚染につながります。
✅ 正しい緊急回収マニュアル
体温計が割れた際は、まず部屋の窓を全開にして十分に換気を行い、同室にいる子どもやペットを直ちに別の部屋へ避難させます。その上で、以下の手順で回収を進めてください。
- 準備:ゴム手袋(またはビニール手袋)を着用し、直接肌に水銀やガラス片が触れないようにします。
- 集める:厚紙やプラスチック製の下敷きを2枚使い、散らばった水銀の玉をひとつの大きな塊にまとめながらすくい取ります。
- 細かい粒の回収:隙間に入り込んだ微小な水銀粒は、ガムテープやセロハンテープの粘着面に付着させて回収するか、スポイトで吸い取ります。
- 密閉保管:回収した水銀とガラス破片は、水を入れた密閉できるガラス瓶やフタ付きプラスチック容器に入れ、さらにジッパー付きビニール袋で二重に密閉します。袋の表面には油性ペンで大きく「水銀体温計(破損品)」と明記してください。