劇的な利便性をもたらす一方で、UMACAにはシステム設計上の厳格な制約がいくつか存在します。これを事前に把握していないと、現地で思わぬ不便を感じることになります。
もっとも注意すべきは、「チャージした現金の出金制限(資金ロック)」です。UMACAの入出金のやり方において、入金機からチャージした資金は「投票専用残高」として扱われます。この残高は馬券の購入にしか使えず、投票を行わずにそのまま現金として引き出すことはできません。出金・精算が可能なのは、あくまで的中した際の「払戻金」および「返還金」に限られます。資金洗浄(マネーロンダリング)防止と公営競技の健全運用を目的とした規定ですが、手持ちの現金を安易に全額チャージしてしまうと、急な生活費への充当ができなくなるため計画的な入金管理が求められます。
また、物理的な「記念馬券(紙の勝馬投票券)」が手元に残らない点も、コレクションを好むファンにとっては留意すべき要素です。UMACAで投票した内容は、専用端末「UMAポート」やスマートフォン上でデジタル履歴として確認できますが、従来の「紙の手触り」や「的中馬券の保管」に愛着を持つ層からは物足りなさを指摘されるケースがあります。
さらに、「最終利用日から5年間」というUMACAの有効期限と更新ルールも見落とせません。5年間一度も投票や入出金を行わなかった場合、カード内の残高やポイントの権利が失効する規定となっています。年1回の有馬記念や日本ダービーの時期だけしか現地に行かないライトユーザーは、定期的な残高確認と利用間隔の把握が必須です。