インターネット上の掲示板やSNSでは、「50代でレイヤーを入れたら毛先がスカスカになって余計にまとまらなくなった」「くせ毛なのにレイヤーを入れて大爆発した」というネガティブな失敗談を目にすることがあります。しかし、これはレイヤーカットそのものの欠陥ではなく、「梳き(セニング)の過剰」と「レイヤー位置の設計ミス」という技術的エラーが原因です。
大人の髪は加齢によって水分保持力が低下しており、毛先を梳きバサミで無闇に削ぐと、パサつきと広がりが助長されます。正しい大人のレイヤーカットは、すきバサミに頼るのではなく、ハサミの角度(チョップカットやスライドカット)で毛束の「段差」そのものを作り、毛先にはしっかりとした厚みとツヤを残すのが鉄則です。
また、「くせ毛=レイヤー禁止」という認識も大きな誤解です。髪のうねりがある場合、表面に重さを残したまま下部にだけローレイヤーを入れれば、くせ毛のウェーブが自然な毛先の動きへと昇華され、アイロンを使わなくてもまるでサロン帰りのようなこなれ感が生まれます。適切なカット技術さえあれば、くせ毛こそミディアムレイヤーの恩恵を最も享受できる髪質なのです。