木嶋佳苗の文章力は、大手出版社をも巻き込む社会現象となった。新潮社や文藝春秋といった名だたるメディアが彼女の手記や書簡に注目し、獄中手記の出版や雑誌連載へと結実していった。特に出版関係者との獄中結婚は、事件ジャーナリズムの倫理をめぐる激しい議論を巻き起こす。
彼女の書く文章は、やがて一過性の告白録を超え、ノンフィクション犯罪文学の特異な到達点として読まれるようになる。自らの罪に対する真摯な悔悟を語るのではなく、欲望に忠実な自己の全能感を美文で飾り立てる。その倒錯した文学性は、活字メディアを惹きつけ、今なお多くの論者を刺激し続けている。