女性の体毛がポップカルチャーの最前線で激しい議論を巻き起こしたのは、昨日今日のことではない。1999年、映画『ノッティングヒルの恋人』のロンドンプレミアに現れたジュリア・ロバーツの姿は、今なお鮮烈な記憶として語り継がれている。赤いドレスの袖から覗いた未処理の脇毛。本人は後に「意図したステートメントではなく、単なる計算ミス」と明かしたものの、そのワンカットは世間の固定観念を強烈に揺さぶった。
やがてこの文脈は、より意識的なセルフプロデュースへと昇華していく。マドンナがInstagramで「Long hair, don't care」のキャプションとともに脇毛を堂々と公開したことは、ポップアイコンによる既存の「女性らしさ」への痛烈なカウンターとなった。さらに、権威あるハイファッション誌『ヴォーグ(Vogue)』が体毛を自然な美のバリエーションとしてフィーチャーするに至り、かつて「隠すべきもの」とされた毛は、自己表現のグラフィックな要素として扱われるようになった。