『笑ゥせぇるすまん』の最終回について「喪黒福造は最後にどうなったのか?」と疑問を持つ方は少なくありません。少年漫画のような勧善懲悪のラストを期待すると、本作の結末には大きな驚きを覚えるはずです。
原作漫画およびアニメ版において、「喪黒福造が倒される」「正体を暴かれて消滅する」といった決定的な最終回は存在しません。
アニメ第1作の終盤(SP回や最終話付近)でも、喪黒はいつものように1人の客のココロのスキマを埋め、約束を破った相手に「ドーン!」を食らわせた後、夜の闇へと静かに消えていきます。「私の名は喪黒福造、人呼んで笑ゥせぇるすまん……」というお馴染みのモノローグとともに、次の街、次の獲物を求めて歩き去る姿でシリーズは締めくくられます。
物語が永遠に終わらない構造になっているのは、人間の欲望が存在し続ける限り、喪黒福造という存在もまた消え去ることがないからです。法や道徳で裁くことのできない人間の弱さを前にして、喪黒は常に「観察者」かつ「処刑人」として街を彷徨い続けています。