スマートフォンの普及から十数年、若者の情報摂取スタイルは完全に「タイパ(タイムパフォーマンス)」重視へとシフトした。分厚い参考書を片手に、机に向かって呪文のように王朝名を唱えるスタイルは、もはや過去の遺物になりつつある。
現在、TikTokやInstagramの Reelsで流行しているのは、ローファイ・ヒップホップや軽快なドラムンベースのビートに乗せて、中国王朝の名前をテンポよくコールしていく動画だ。視覚的なモーショングラフィックスと同時に耳に飛び込んでくる音の連鎖が、驚くほどスムーズに頭に染み込んでいくという。
「気がついたら口ずさんでいた」と語る都内の高校2年生は、通学電車のなかでこの動画を数回見ただけで、苦手だった世界史の初期王朝エリアを完全にマスターした。この手軽さこそが、現代の学習者が求めていたブレイクスルーなのだろう。