近年、日本の電子書籍市場は急速なグローバル化と決済代行会社の規約変更に伴い、かつてない規模の表現規制に直面している。特にクレジットカード会社からの要請による「性的描写」への締め付けは厳しさを増す一方だ。この余波を真っ向から受けているのが、過去の青年漫画の名作たちである。
徳弘正也が描いた『狂四郎2030』は、遺伝子操作や徹底された管理社会、そして人間性を剥奪された人々の絶望を描いたディストピアSFの金字塔だ。しかし、作中に頻出する性暴力や拷問、そして露骨な性描写は、現在のクリーンさを求めるプラットフォームの基準からは「グレーゾーン」どころか「アウト」と判定されかねない危うさを孕んでいる。