日本国内でウォンバットを一般公開している施設は、2026年現在、大阪府池田市の五月山動物園と、長野県長野市の茶臼山動物園の2園のみとなっています。かつて東京都の多摩動物公園や神奈川県の金沢動物園、愛知県の東山動植物園などでも飼育されていた時代を知る来園者にとっては、隔世の感がある現状です。
関係各所への取材および各園の公表データを集約すると、ウォンバット現在の国内頭数はわずか数頭という極めて希少な状態にあります。特に五月山動物園には、世界中から注目を集める最高齢個体「ワイン」をはじめとする複数頭が暮らし、まさに国内におけるウォンバット飼育の総本山としての重責を担っています。一方、長野市の自然豊かな丘陵地に位置する茶臼山動物園では、雄の「ウォレス」が独自のマイペースな暮らしを送り、多くのファンを魅了し続けています。
かつて数十頭規模で国内に存在していた時代と比較すると、現在の状況は文字通り「国内絶滅」の瀬戸際にあると言っても過言ではありません。各園では専任の飼育員による手厚い健康管理と生活環境の維持が24時間体制で行われており、個体一頭一頭の存在が日本の動物園文化における生きた遺産として守られています。