サイエンス・ジャーナリズムの視点からも世界中から熱い視線を集めているのが、AIM医学研究所の代表理事・所長を務める宮崎徹教授らの研究グループだ。教授が推進するAIM創薬プロジェクトは、長年多くの愛猫家を苦しめてきた慢性腎臓病の根本治療に道を拓こうとしている。
血中タンパク質「AIM」が猫では生まれつき正常に機能せず、体内の老廃物を排除できないことが腎不全の主因であるという発見は、まさに獣医療におけるコペルニクス的転回だった。この知見はNHKオンデマンドの特集番組やYouTubeの解説動画を通じて瞬く間に拡散され、国内外の飼い主たちの間に巨大な希望の波を生み出した。
新薬の開発と治験は着実に前進を続けており、実現すれば「猫の寿命30年」も荒唐無稽な夢物語ではなくなる。だが宮崎教授自身が繰り返し指摘するように、画期的な新薬さえあればすべてが解決するわけではない。日頃の水分摂取やフードの選定、腎機能を早期に評価する定期検診と組み合わされて初めて、AIMの真価は発揮されるのだ。