この狂騒の火付け役となったのは、大谷翔平だけではない。ニューヨーク・ヤンキースのスラッガー、アーロン・ジャッジがアメリカン・リーグ記録となる62号本塁打を放った際も、その記念球は約2億円(150万ドル)で落札され、スポーツメモラビリア市場の天井を突き破った。
伝統的なアート市場や暗号資産に並ぶオルタナティブ投資先として、貴重な記念球の存在感は急激に増している。過去の偉人たちが残した記録球とは異なり、現代のスターが放つボールは、リアルタイムで世界中に配信される圧倒的な物語性を帯びている。価値を担保するのは、単なる希少性ではない。何億人もの目撃者が共有した「歴史的瞬間の熱量」そのものが、価格を釣り上げているのだ。