穴八幡宮の「一陽来復」において、最も多くの人が混同しているのが「壁・柱に貼る筒状の御札」と「財布に納める平たい懐中御守」の作法の違いです。結論から申し上げますと、財布に入れる懐中御守には「冬至・大晦日・節分の深夜24時ちょうどでなければならない」という絶対的な神事的制約はありません。
壁に貼る筒状のお札は、授与時の説明書きに明記されている通り、定められた3日間の深夜24時(日付が変わる瞬間)に恵方へ向けて高い場所へお祀りする厳格な秘法が存在します。しかし、穴八幡宮 懐中御守に関しては、身につけて神仏の加護を得る携帯用のお守りであるため、授与された当日や、ご自身が心静かに祈念できる吉日に財布へ納めれば作法として何ら失礼には当たりません。
それにもかかわらず「懐中御守も深夜24時厳守」という言説が定着した背景には、インターネット掲示板やSNSでの情報伝達における省略があります。「一陽来復=深夜24時」という強烈なインパクトのみが独り歩きし、筒型のお札と懐中御守の扱いがひとまとめに語られた結果、不必要なプレッシャーを感じる参拝者が増えてしまいました。もちろん、精神的な区切りとして「節目の深夜24時に財布へ納める」という願掛け自体は素晴らしい敬虔な行為ですが、時間に追われて焦る必要は全くありません。