ネット上の批判的な言説とは対照的に、業界関係者や現役社員の間で極めて高い評価を獲得しているのが自社研修施設「テクノセンター」の存在です。
「研修制度がかなり充実しており、他の派遣会社と比べても安心して実際の業務に入ることができた。未経験でも仕事を始めやすい」という現場の声が示すように、日研トータルソーシングは全国各地に専用の研修センターを自前で保有しています。座学だけでなく、実際の製造現場で使用される産業用ロボット、シーケンサー、保全設備の実機を用いた実践型トレーニングを実施しており、工業高校や理系学部を出ていない完全未経験者でも、短期間で機械保全や半導体エンジニアの基礎技能を習得できるカリキュラムが組まれています。
一方で、キャリアの安定性を巡る「正社員登用の実態」と「派遣切りリスク」についてはシビアな現実を理解しておく必要があります。同社には大きく分けて、日研トータルソーシングの「無期雇用派遣(自社正社員)」として客先に常駐する形態と、期間を定めて働く有期派遣があります。無期雇用の場合は派遣先の契約が満了しても雇用関係が継続し、待機手当が支給されるため、街頭で叫ばれるような「即座の路頭への放り出し(派遣切り)」のリスクは制度上ヘッジされています。
しかし、派遣先の大手メーカー側で直接雇用(メーカー正社員化)されるルートは非常に狭き門です。派遣先への正社員登用実績はあるものの、卓越した現場改善能力や勤怠の完璧さ、メーカー側の採用枠の空きが揃わなければ実現しません。「派遣会社を踏み台にして大手直接雇用を目指す」ことだけを目的にすると、年限の壁に直面するリスクがあります。