スーパーやコンビニのパンコーナーで「イーストフード・乳化剤不使用」と大きくアピールされたパッケージを目にする機会が増えました。一見すると完全な無添加パンのように思えますが、ここには食品表示基準の盲点が存在します。
食品表示法において、メーカーは特定の添加物を使っていない場合「〇〇不使用」と表記できます。しかし、イーストフードや乳化剤の代用として「加工デンプン」や「酵素」「pH調整剤」といった別の添加物が使われているケースは少なくありません。つまり、特定の成分を抜いただけの製品であっても、消費者が「完全無添加」と誤認しやすい構造になっているのが実情です。
また、原材料の製造段階で使われた添加物が最終製品に残存しないとされる「キャリーオーバー」や、複数の原材料を一括して記載できる「一括名表示」により、原材料ラベルに記載されない微量な成分もあります。
さらに見逃せないのが油脂類です。市販パンの多くにふんわり感を出す目的で使われるショートニングやマーガリンには、トランス脂肪酸への懸念がつきまといます。本物の無添加パン屋が選ばれる理由は、こうした見かけの柔らかさや大量生産の都合を優先せず、素材本来の風味と食べる人の健康を真摯に追求している点にあります。