手軽に情報が得られるYouTubeなどの動画プラットフォームでは、時として解剖学的に危険なテーピング方法が拡散されている。特に注意すべきは「とりあえず指全体をぐるぐる巻きにする」処置だ。
関節の可動軸を無視して指全体をミイラのように何層も巻くと、末梢の静脈血が鬱滞し、指先が紫色に変色するチアノーゼや神経圧迫を引き起こす。さらに、関節を真っ直ぐに伸ばし切った「伸展位」で固定してしまうミスも後を絶たない。人間の手はわずかに曲がった状態で最も安定するようにできており、伸ばしたまま固定し続けると関節が固まり、元の可動域を取り戻すのに何倍ものリハビリ期間を要することになる。
「きつく巻くほど効果がある」という思い込みを捨て、関節の曲がるシワを避けて貼る、過剰な圧迫をかけないといった基本原則を厳守しなければならない。