一宮の街を歩くと、鋸屋根(のこぎりやね)の旧織物工場や、昭和初期に建てられた重厚なRC造の繊維ビルが目につく。かつて「ガチャマン」と呼ばれた繊維産業の黄金期を支えたこれらの建築が、今や一番ホットなグルメスポットへと生まれ変わっている。
天井が高く無骨なコンクリートの空間に、温かみのあるアンティーク家具を配置したビストロや、クラフトビール醸造所を併設したカフェレストランが立ち並ぶ。ここでは、かつて織機が響かせた重低音の代わりに、シェフがフライパンを振る快い音と客の歓声が響く。歴史の文脈を継承しながら現代の食を提案するこのアプローチが、若い世代や感度の高いファミリー層を強く惹きつけてやまない。