彼女の重厚かつ軽やかな表現力の礎は、武蔵野美術大学での探求時代に遡る。油絵科で培った空間把握と造形感覚が、後に水彩という流動的なメディアと出会うことで、唯一無二の化学反応を引き起こした。西洋画の骨格を持ちながらも、東洋的な「余白の美」を宿すスタイルは、この時期に形成されたものだ。
創作の拠点となっている大塚アトリエからは、常に革新的な作品群が送り出されてきた。静まり返った部屋に差し込む自然光の中、果物やガラス器、朽ちゆく花々が配置され、キャンバスの上で新たな生命を得る。光と影が混ざり合う一瞬を捉える眼差しこそが、圧倒的な透明感の源泉である。